フランスの編み物教則本を手に入れる

今日のパリは暑い。蒸し暑い。
東京の夏ほどのひどい蒸し暑さではないが、さらっとした初夏の日和では全くない夏日。
編み物をしていると、じっと汗が出てくる。

暑いので、扇風機をもう一つ買おうを思う。
2003年のヨーロッパ猛暑の夏、暑さでフランスでは死者が多数出たのだが、その際にパリ中で扇風機が品薄になり、近所の家電店の前の通りで、卸のトラックから下ろされる数台の扇風機を巡って、声を荒げて奪い合う群集に出くわした。
それも、巨大で重い産業用風の扇風機で、さらに値段がとても高かった。
そんなものに希少価値がつくほど、扇風機が手に入らなかったのである。

パリ人は気取っているというイメージがあるが、実際、ひそひそと話しをする。大きい声で話すことは、はしたないこととされ、そのために、普通の声の音量の大きいアメリカ人は一様に「行儀が悪い」とみなされる。
そのパリ人たちが、公道で、怒号を発しながら、たかが数個の扇風機を奪いあったのである。
パリでそのような場面に出くわしたのは、先にも後にもはじめて。

夏が東京のように暑くならないパリでは、自宅や自家用車に冷房機をつける習慣はない。車は皆、夏は窓を開けて運転しているだけである。あの夏までは、扇風機の必要性さえもパリ人は感じなかったのであろう。

以来、パリでの扇風機の重要性、希少価値性を認識し、夏が来る前に扇風機を準備しなければという強迫観念を持つようになった。

扇風機は既に一つ持っているのだが、暑くなると、居間、台所、寝室、と自分が動く度にあちこちとアパート内を移動させるのが面倒。

そこで、念のために今のうちにもう一つ買っておこうと思い、近所のDarty に行く。
Darty は家電やコンピューターやデジタルカメラなどデジタル機器を扱う大型チェーン店で、ヨドバシカメラのようなものだが、ヨドバシカメラよりもさらにフランス中あちこちに店を出している。

今日月曜日はフランスはLa Pentecôteの祝日である。以前はこういった祝日には店は閉まっていたものだが、ここ数年は、ありがたくも祝日にも開ける店が増えた。
Darty も開いていた。

扇風機コーナーに行く。様々な扇風機が並んでいる。
卓上扇風機が並ぶ棚の前に陣取る。
一番安い12ユーロの卓上扇風機を買おうと思い、店員に、これ下さい、と言う。
Dartyでは、店員に、これ下さい、と頼まないと買えない。そうすると、店員が品物の在庫があるかどうかまず調べる。普段の週末は店員に話をするのが大の難関である。多くの客が数少ない店員と話をしようと、列をなしている。今日は長い週末なので、パリ人は田舎へ引っ込んでいて、店は閑散としていてよかった。

店員がすぐつかまったとは言え、この12ユーロの卓上扇風機は、在庫なし。
どれなら在庫があるのか聞く。
卓上扇風機は12種ほど並んでいたが、なんとそのうちのたった一種が、大サイズ二台、小サイズ一台残っているのみ。小さい方が、34.90 ユーロである。

どうしようかと躊躇する。

突然、アメリカ人の初老の夫婦が卓上扇風機のコーナーにわさわさと現れた。
奥さんの方が「これよ、これ。アタシはこれがいいと思うの。」と大声でアメリカ英語で夫に言っている。
小型の、羽が細いクラシックなメタルのデザインで、私も目をつけたものである。
でも、これは在庫がないんだよお。
早くあるものを買わないと、という思いで、一台残った小さいサイズの34.90ユーロのものを買うことにする。「これ買います。」と店員に言う。

清算を済ます最中に、別の店員がアメリカ人夫婦に「在庫がないんです」と言っているのを耳にした。寡黙なかんじの夫が、「もう無いって」と妻に言う。妻は「この見本でいいわよ」」と主張する。店員が見本が機能するかどうか点検する。見本はなんと、動かない。。。

ふふ、私は卓上扇風機あるもんねえ。
やはりパリでの扇風機獲得は戦いであることを確認。

次にビーズ。
ビーズも戦場である。

祝日であるが、Le Bon Marchéも今日は開いている。
銀と金の多面ビーズが既に終わりに近づいたので、買いたそうと訪れる。

Le Bon Marché の手芸店でビーズを買うには、なんと順番待ちの帳面に名前を記帳しないといけない。
客が列をなしていて、記帳順に対応してくれる。
番がくると、「Mme...」と名前を呼んでくれる。
列が長くて、諦めることもある。

パリ人が田舎に引っ込んでいる今日は、Darty 同様、Le Bon Marchéも閑散としている。しかし、ビーズコーナーの前には、乳母車連れの女性が一人陣取っている。
手に入れるものははっきりしているので、名前をすぐ記帳する。
順番は3人目。比較的すぐである。

目的のビーズは、人気商品なのか、殆ど残っていない。
2匙か、あったら3匙下さい、と頼む。お店の人はいかにもパリ人風に、「2匙もどうかというところね。3匙あるかしらねえ」ともったいぶる。ケチって、すりきりの一匙。
3匙手に入ったのだから、いいか、と納得する。

これまでは注目していなかったが、ビーズコーナーの前にある手芸レシピ本に目を向ける。

ベビー編み物ものが殆どなので、注目していなかったが、ひょいと一冊、スカーフやバッグ等の小物やアクセサリー中心の編み物本がある。

見本を開いてみると、これがなんとも、色が素敵。
編み方は大層シンプルであるが、アメリカやイギリスのものとは、色使いが全く違う。
フランスのアート感覚に簡単する瞬間である。

a0161826_372226.jpg表紙。















a0161826_375355.jpg中のページ。
ただのガーター編みのマフラーです。
色使いが素晴らしい。













a0161826_382884.jpg裏表紙。
ただのトートバッグです。でもすごく素敵。













一冊18ユーロ (高いですね)。
日本でも出店しているLa droguerie の出版物シリーズである。
東京では表参道池袋にある。

フランス語の編み方説明は、英語のものと似通っているが、英語より容易なのは、文章の省略が英語より少ないこと。
フランス語の棒針編みの略語の英語訳はこのサイトをご覧下さい。
Chez Plum French Knitting Dictionary

そのうちに日本語訳も出そうと思います。。。
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