イタリアの毛織物業者の話。。。それから花三連のネックレス

今日のニューヨークタイムズのビジネス欄で、イタリアの老舗毛織物メーカー Carlo Barberaを読む。

先代からの家族経営で、アルマーニ、ヴェルサーチ、ラルフ・ローレン等に卸すこともある高級織物を、毛糸からつくっている。その織物はメーターあたり41ユーロ、5千円近くするらしい。オリジナルブランドのスーツもデザイン、縫製しているということで、スーツは一着40万円する。糸からスーツまで、一貫した「自家製」、ハンドメードである。

記事自体は、イタリアの経済がなぜ衰退しているかということについて、この業者に焦点をあてることで考察している。記事のタイトルは、"Is Italy Too Italian?" 「イタリアはあまりにイタリア的なのか?」。 昨日のアートフェアの項目 でフランスの独立自営ファッション業者たちが中国の安価大量生産の繊維業の攻勢に四苦八苦していることについて少し触れたが、イタリアの昔ながらの独立自営、家族経営ファッション産業は保守的、内向きで、「儲ける」という感覚が弱い職人かたぎで、中国の繊維業が席巻く世界市場の中での自身という状況さえもあまり認識を持っていず、危機感がない、という論である。

しかし、イタリアの経済状況についての考察以上に、この業者さんについての記述が非常に興味深い。イタリアの老舗ファッションメーカーというのはこういうものなのか、と目を見開かされる。これは記者さんの力量ですね。面白い記事であるというのは多くの読者が感じたようで、今日のニューヨークタイムズでメールされたものの数のランキングでは総合第三位。

記事は長いし、イタリアの経済についての記述も多いので、そういうことに興味のない方は、記事を全部読むことはない。
この業者さんの「工場」の写真がスライドショーになっているので、是非それをご覧下さい。毛糸から織物、縫製の過程を垣間見ることができる。
In Italy, Choosing Tradition Over Growth (成長よりも伝統維持をめざす、イタリアで)

社長さん(先代の息子)の言葉が印象的。まさにこの仕事がアートであるということが感じられる。

記事の出だしが素晴らしい。
72歳の社長さんが記者さんを毛糸を寝かせる地下の倉庫に連れて行く。(ワインみたいですね。)
途中をはしょって訳すと。。。

「私はここを毛糸のスパと呼んでいるんです。」と社長さんが言う。。。バルベラ氏は毛糸を「生きている繊維」と呼ぶ。比喩的にそう呼んでいるのではない。毛糸は染色のあと、このスパに6ヶ月間あまり寝かせられ、重さの20%が水分となるまで休むのである。続いて、その毛糸は15段階の工程にさらされるのであるが、バルベル氏はその詳細については無言。一言、「生地が高貴に生まれ変わる過程」と説明するのみである。

さらに記事の最後の締めとなる社長さんの言葉。社長さんは微笑みながら一言こう言うのである。
「世の中とは詩人にはつらいものだよ。」

さて、詩人には生まれ変わってもなれないであろう不器用者であるが、とりあえず修行を続ける。

a0161826_445358.jpg久しぶりに花三連のネックレスを編む。
リッチモアシルクリネンのゴールドを花びらにしたものを二種類。

これは詩的な思いがある訳では全くなく、単に自分の着る物に合わせるのに、明るいカーキ色のネックレスが必要だ、というしごく実用的かつ単純な理由による。

一つはハマナカのフラックスKの紺色と合わせる。
もう一つはWolle Rödel のMille Fili の茶色と合わせる。




大好きで大事に使っているハマナカのフラックスKの紺色と合わせたものが特に素敵。
今日の記事を読んでからは、糸というものの深みにますます感嘆。

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Three flower necklace/ 花三連ネックレス by Amies Bijoux is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 3.0 Unported License.
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