耳あてつき幼児帽子できた、写真ないけど。。。それから走り続けて汗だくになった話

甥に会いに、ハイデルブルグに来る。
パリからハイデルブルグの列車の中では、予定通り、帽子に耳あてをつける。
ついでに、表目裏目三目づつの格子模様も実験する。
三目づつでも、模様が出ます。
耳あて本体はブルーの糸で編み、周りに赤い糸で縁をつける。

しかし、なんと、カメラを持って来るのを忘れてしまった。。。
大衝撃である。
編んだ作品の写真を撮る以上に、甥の動画を撮って編集するのが、大の趣味なのに。。。

最近は忙しいのがいけない。
生来不器用なだけでなく、ボッとしている。
幼少期は靴下をはくのに一時間かかり、幼稚園にも小学校にも遅刻。
大人になっても、ちょっと忙しいと、何か物忘れをする。

今日はパリ東駅へ猛ダッシュ。
パリ発フランクフルト行きの最終列車は夕方7時5分なのだが、これは就業後行くにはぎりぎりである。
間に合うか、間に合わないか、というところである。

それでも、発車20分前には着いた。就業時間より若干前に出させて下さった会社の配慮のお陰である。
金曜日夕方とあって、自動発券機の前には列ができていた(インターネットで予約して、駅の自動発券機で切符を手に入れる仕組みになっている)。
発車7分前に切符をどうにか手にする。
しかし。。。走っていつもの三番プラットフォームに行ってみると、そこにある列車の中は空。プラットフォームには駅員の影一つない。
変だなあ、と思って、発車情報のスクリーンに戻る。

すると、なんと、発車は27番プラットフォームと出ているではないか。

27番? 随分と高い数字である。それは現在位置3番プラットフォームからだとどのあたりにあるのか、見当もつかない。
ものすごく焦る。
この時点では発車5分前。
以前の経験より、発車3分前に乗車が締め切られることが分かっている。(2分前で乗せてもらえなかったことがあるのです。。。)

真っ白な頭で、やみくもに前に走り、運良く、駅の反対側に27番プラットフォームを発見する。
ところが、そこにある列車は、また真っ暗で空。

そこで立ち話をしている駅員三人に、「これ、フランクフルト行きじゃないんですか?」と叫ぶ。
向こうは、のんびりと、「ずうううっと向こう」と一言返してくる。

ずうううっと向こう???
どいうこと? 全然分からない。

扉が閉まっている暗い列車を左に見ながら、兎に角走り続ける。
「どこ? どこなんですか?」と今度は後ろ向かって叫ぶ。
遥か後方になったのんびり駅員は、「もっともっともっと向こう」と叫び返す。
なんだあ???

この時点では、もう発車一分前を切っている。
絶望的になる。
もう駄目だと思う。足並みも遅くなる。

突然、背の低いころころとした男性の駅員さんが走り寄って来るのが目に入る。
「早く、早く、おいで!」と叫んでいる。
視界の遠くに、列車から身を乗り出して大きく手を振っている人が見える。
なんと、空の列車の後ろに、もう一つ別の列車がある。
それがフランクフルト行きなのであろうか。

私は右手に小さいラゲッジ、左手に大きなLe Bon Marche の紙に包まれた箱を下げていたのだが(甥に買ったおもちゃのピアノの箱。。。Le Bon Marche は、手芸用品だけでなく、おもちゃ売り場も充実しているのです)、ころころした駅員さんは走り寄って来て、その大きな箱をつかみ、「ほら、行くんだよ!」。

オレンジ色のLe Bon Marche の箱を抱えた駅員さんと、私は走りましたよ。

ところが、身を乗り出して手を振っていた人のいる車両は、目の前で扉が閉まる。
身を乗り出していた人は、もう駄目だという合図をする。
ころころの駅員さんは、「え?もう駄目なの?」と叫びながら、その次の車両に向かって走り続ける。
私も一緒に、ただ走る。

ころころの駅員さんが、「あそこだ!」と叫ぶ。彼の指し示す方向には、開いている扉がある。
二人でそこに向かって突進。
私がそこに走りこむと同時に、ころころの駅員さんはオレンジ色の箱を私にパスする。
キャッチ!
扉が閉まる。

本当に、息もたえだえ。普段水泳をしているが、それでもぜえぜえ、しばらく身を縮めている。
今日は寒いのに、汗が流れ落ちて止まらない。

横で女性の乗務員が、無言でしかし面白そうな顔をして見下ろしている。
「27番が見つけられなかったんです。いつもは3番線じゃないですか。」とぜいぜいしながら話しかける。
彼女は無言で、しかもそのまま全く表情を変えず、「面白しろおおい」という顔で私のことをみつめている。

フランス語を話さないのだろう、と解釈することにする。この列車はドイツ国鉄が運営する列車なので、乗務員は英語は上手だが、フランス語はあまり話さないのです。でも、そんなの全然OK。そんなに面白いなら、見たいだけ見てくれ、という感じ。こちらは、ぜいぜいしながら汗を流すのに忙しいしんだ。

巨大なオレンジの箱を抱えて一緒に走って下さった東駅27番プラットフォームのころころ駅員さん、大感謝です。
それも皆が無関心な中。。。
あなたがいなければ、私はとうに諦めていました。
ありがとうございます。
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