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以前にも触れたように、パリでは1月半ば前にsoldes, セールの季節がはじまった。

パリのセールははじめは10%引きなど、それほど値段が下がらないのだが、週がたつにつれ、どんどん値引きされていく。街の店先のウィンドウの赤い文字が、「Deuxième démarque」(二回目の値下げ)、「Troisième démarque」(三回目の値下げ)、「Dernière démarque」(最終値下げ)と変化していく。とは言っても、米国のように最終90%引きなどとなる店は皆無で、せいぜい最終でも40%、ごくたまに50%引きほどであるが。

1月も終る今週末、セールがはじまって三週間ほどたつ。もしや、すぐ近所のデパートLe Bon Marché の手芸店でも、いつもは目がとびでるほど高い毛糸の値段が下がってきているのではないか、と思いつく。

普段は私はパリのセールが嫌い。人が多いし、大して安くなっていないし、安くなっているものは気に入らないものか、無くてもいいものばかりというのが常。しかし、今回は修行中ということで、歩いて5分のところなのだから、と自分に言い聞かせ、怠惰な身をおこして行ってみる。

Le Bon Marché (24, rue de Sévres 75007 Paris) はパリで一番古いデパート。小さめのデパートだが、品揃え的にはデパートの中では私は比較的好き。特にベッドリネンや旅行鞄のコーナーがとても良い品揃えで、セールの時はお得。食料品館が別名Le Grand Epicerie de Paris (パリの大食品市場)としてとても有名で、夜の閉店前に行くと、独身貴族が買い物をしていて格好の出会いスポットだといううわさもある。質的には街の商店の方が良いものが多いと思うし、値段的にはスーパーの方が安いので、私は食料品のためには、いそぎの用でもなければ行かない。

a0161826_643734.jpg入り口はいくつかあるが、手芸店へのアクセスとしては、rue de Sèvres とrue du Bac の角の入り口が一番便利。
rue du Bac は本館と食料品館の間にある通りです。入り口はこういう門構え。
「soldes absolus」(完全セール)の旗がひるがえっている。気分も盛り上がる。

この入り口から入るとすぐ前にエスカレーターがあるので、それに乗る。間違ってもデパートのフロア中心にあるエスカレーターに乗らないように。そうすると大変なことになって、手芸店には行き着けない。代わりにベッドリネンを買うはめになってしまう。



a0161826_652387.jpg3階、3階と今まで書いてきたが、地上階がゼロであるヨーロッパの3階は、日本で言うところの4階である。このエスカレーターでは3階(4階)が最上階。上りきったところに、手芸店がある。その色とりどりの光景が目の前に広がった瞬間の高揚感は、何度行っても同じ。写真では奥の壁に沿ってずらっと毛糸玉が並んでいる。写真右の壁の向こうのゾーンにも毛糸の棚は続く。
左手前はボタンコーナー。もちろん、刺繍糸、リボン、布、ベルトのバックル、バッグの持ち手等、手芸に使うものが何でもあります。





この手芸店の中央ゾーンの壁はRowan が陣取っているのであるが、その棚の前にセール籠が二つ置いてあるのを以前から見ていた。そこに直行する。
籠は一つに減っている。しかし、以前の30%引きの値段から、さらに30%引きになっている。以前から非常に惹きつけられていたが、30%引きでも10ユーロ近かったカシミヤの毛糸は残念ながらもう売れきれてしまったようだ。しかし、コットンの毛糸がいくつか残っている。

欲しかったカシミヤの毛糸玉と同じRYというロゴのついたRowanのClassic Yarns Cotton Jeans の綿100%、イタリア製の糸を選ぶことにする。残っているもの全部買う。全部で八玉、22.96ユーロ。もともとの値段は一玉5ユーロ90セント(740円)だが、セールで一玉2.87ユーロ、360円。半額以下の超お買い得である。

春になったらこの糸で甥につばのついた帽子をつくるといいだろうと、またもや夢が広がる。

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by iknit | 2010-01-31 06:11 | お店
夕刻に職場から帰宅して通りからアパートの敷地内に入ると、隣人と立ち話をしていたconciergeの息子に呼び止められる。ウチのアパートのconciergeは、初老の女性とその息子がやっている。正式には女性の方がconciergeなのだが、認知の困難性があるようで、事実上息子が仕切っている。

「マダム、お届け物がありますよ。」と息子に言われ、ああ、そうですか、なんだろう、とconciergeの家についていく。息子は様々な箱をチェックして、そのうちの一つを取り出す。かなり大きいので、私はびっくり。箱についたラベルはEMS(国際速達便)で、そこに日本で言うところのマル字の手書きで住所等が書いてあった。

そこでピンと来る。これは以前、ボンマルシェの毛糸の値段の高さに圧倒されていた時に、楽天の国際ネット販売で注文した毛糸玉ではないか。

楽天では、海外から注文できるお店もある。毛糸では、柳家というお店だけ海外に送ってくれる。パリでの毛糸の高さに辟易した私は、日本のネット販売の安さに動かされ、試しに柳家の「バーゲン会場」で1月13日に毛糸玉を注文していたのである。

以来、「注文が殺到しているため遅れています」というメール以外、何の音沙汰もなかったが、実は配送されていて、着いていたのであった。

フランスやドイツでは見たこともないが、日本では安価に手に入るパピーのシルクブレンド並太と、パリでは手に入るがものすごく高いノロの毛糸、スーパースラブを注文した。セールで前者は一玉390円、後者は一玉370円。

これまでの通信販売の経験により、20%の輸入税がかかるだろうということを予測していたのだが(税金を払わないと受け取れない)、今回はなんと、税金の請求・支払い無しに手に入れてしまった。とてもラッキー。

セール価格の毛糸玉の値段と、国際速達便の送料だけ払ったということになる。送料は非常に高いが、それでも、セール品なので、一玉455円、3.70ユーロの計算になる。送料を入れても、パリでの価格より安い。

さらに重量の関係からか、3合の米袋までおまけで入っていた。「恵那産特別栽培こしひかり」
日本の「特別」な米をもらって得をした気分になる。

さて、商品であるが。。。パピーシルクブレンド並太は、「えんじ」と「こげ茶」を注文したのだが、写真と違って、実物の「えんじ」は普通の赤です。ハイデルブルグの毛糸と似た感触で、非常に基本的な色。色の微妙な素敵さは、残念ながらパリの毛糸のような感動は無いと言えるであろう。 ただし、化繊の混じっていない、シルク混合の毛糸がこの値段で手に入るということは、パリでは無い。ということで、ありがたい。
ノロのスーパースラブはブルーっぽい色番号101を注文。質と値段は大変よろしいですが、あってもいいけど、無くてもOK、というかんじ。

基本的なものは、柳家のバーゲン会場で買うのがいいかも、というのが結論。ただし、輸入税がつかなければ。税金については、運を天にまかせるしかない。また注文するかどうかは、思案どころ。

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by iknit | 2010-01-26 04:35 | お店
Google で編み物情報を検索しているうちに、以前には出てこなかったパリの毛糸屋さんを発見。Le Comptoir というお店で、そのウェブサイトにはセール品の広告が出ている。土曜日の今日は朝から雨だったが、午後に雨が上がったので、行ってみるか、と足を延ばす。

お店は9区、対岸にあるので、また大嫌いな地下鉄に乗る。最寄の駅は7番線のCadet という駅だが、自宅からの路線の都合で、12番線のNotre-Dame-de-Lorette で降りる。

お店の住所は 26 rue Cadet 75009 で、車の入れない通りに面している。店構えはこんなかんじ。

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入ると、暗い店内の右手に各種毛糸が濃い茶色の木の棚に整然と並んでいる。お店の面積はCat' Laine よりも小さいかんじで、人が二人並んで通る隙間がない。先客が棚の前に陣取っているので、私はとりあえず遠くから眺めることにする。

高い。安くて7ユーロ弱。しかし、各毛玉、色が非常によい。微妙で品のある色合いのものばかり。ドイツとは全然違う品揃えだなあ、さすがパリだなあと、色の点には感心する。でも値段もパリ風。。。

しかしいくつかの棚には30%引き、40%引きの印がついているので、セール品に集中することにする。

毛糸は各種、各色、一玉づつだけ棚に並んでいて、何か触ってはいけないような雰囲気。実際先客は毛玉には一つも触らないで、ただじろじろと見たあと、これとこれ、と店員の女性に注文している。

ふと横を見ると、並んでいる毛玉で編んだ四辺がぶらさがっているツリーが棚の前にあった。その一つ一つに仕様も表示してある。そこで、セール品の名前と符号する四辺を探すことにする。

残念ながら、どれも化繊がまじっている。しかしその中でもベビーアルパカ84%、メリノウール8%、と書いてある極太毛糸が、手触りがやわらかく、気に入る。ちょうど甥のオレンジ色のコートに合うような、微妙できれいなレンガ色のものもある。本来一玉9ユーロだが、30%引きで、一玉6ユーロ30セント(800円)。

三色それを注文してみる。出てきた毛糸は棚で見るよりもさらに色がきれいで、うれしくなる。ラベルを見ると、Rowan のLimaというシリーズで、ペルー製。Machu Pichu、 Nazca、 Punoの三色を手に入れた。

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by iknit | 2010-01-24 07:46 | お店
一歳になる甥が暮らすハイデルブルグには、毛糸屋さんがある。メインの商店街に一つあって、パリとは違ってものめずらしいので、以前から目をつけていた。今回編み物修行を始めたということで、訪問してみる。

ハイデルブルグの旧市街にある商店街通りHauptstrasseは、ドイツで一番長いとされる歩行者天国で、毛糸屋さんのWolle Roedel (Hauptstraße 99, Heidelberg) はそのちょうどまん中あたりにある。Wolle Roedel はドイツの大手毛糸メーカー兼毛糸全国チェーン店で、日本で言えばハマナカのようなものか。

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いやあ、入って仰天した。安い。兎に角、パリとは比べ物にならないほど、安い。なんとパリでは見たこともない、一玉1ユーロ代のものが何種類かある。それもセールではなく、正規価格だ。極太ウール100パーセント50gはパリのCat’  Laine で4ユーロ10セント(535円)だったが、Wolle Roedel メーカーブランドでソフトメリノ100パーセント50gは通常価格2ユーロ95セント(385円)。

なぜこの毛糸がこの価格でパリでは売っていないのか。EU内は自由貿易のはずではないか。実際、フランスの小規模農業生産者はEU自由貿易で散々な目にあっているではないか。にもかかわらず、消費者としてのフランス国民は、EU自由貿易の恩恵を受けていないということか。フランス国民は今こそ立ち上がれ、と真に憤りを感じる。

甥がオレンジ色の冬コートを着ているので、次は茶とオレンジ色の帽子をつくろうと考えていたが、どうも気に入ったオレンジ色がない。小さい店なので、デザインや色の種類が限られていることは否めない。ボンマルシェがいかに大きいかということを認識する。

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とりあえずメーカーブランドのSIENAという洗えるメリノウール100パーセント並太50g一玉3ユーロ45セントを、からし色と茶色を1玉づつ買う。さらに2ユーロ95セントの価格に動かされて、グレーのメーカーブランド・Soft Merino 極太も買う。
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店の主は英語が流暢なちゃきちゃきした女性。毛糸の玉についているPartie Number というものについて説明してくださった。この数字は毛玉を染めた釜を示しているそうで、Partie Numberが同じ毛玉は色合いが同じ、ということらしい。お店では編み物教室もやっているという情報も得た。

ハイデルブルグにはドイツ最古の大学があって、元祖「哲学の道」もあるし、森鴎外もドイツに留学したときははじめはハイデルブルグにいたという由緒ある街なのだが、同時になんと、米軍基地がある。フランスには米軍基地など全く無いが、ドイツは日本のように第二次世界大戦敗戦国なので、こんな由緒ある町に米軍基地があるのですねえ。という訳で、ハイデルブルグには日本人の観光客だけでなく、米国人も沢山いて、ハイデルブルグの商店街の方々は英語がとてもお上手です。

それは次に行った街外れの小さなお店の主も同じこと。まるで絵本から出てきたような大柄で丸い顔のほがらかな女性で、英語が大変お上手。

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この毛糸屋さんは甥の住んでいるところの近くで、商店街からはネッカー河の対岸のにある。Ladenburgerstrasse とLutherstrasse の角にある広場に面した小さなお店で、値段は5ユーロ前後で特に安いとは言えないが、イタリア製の毛糸が沢山揃えてある。見切り品籠からぴかぴか光る銀色のものと、これまた光沢のある紺色のものを買ってみた。紺色のは2ユーロ50セント(327円)で、銀色のは2ユーロ95セント(385円)。a0161826_555263.jpg お店のご主人によると、来年の秋冬は、久しぶりに紺色が流行するそうだ。
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by iknit | 2010-01-19 06:25 | お店
以前にも書いたように、Le Bon Marche の毛糸はとても高い。
ネット販売はどうだろうと、仏アマゾン等のネット販売サイトをいくつか見たが、アクリル混ばかり。
一体パリには安い毛糸屋さんはないのだろうか、とググってみたところ、毛糸屋さん自体が2店しか出てこなかった。ひとつはFil & Laine というリヨン駅の近くにあるお店、もうひとつは2区にあるCat'Laineというお店。後者はいくつかのブログによれば必見の安売り店だということで、それでは、と行ってみる。

ブログ情報によれば、夕方は6時に閉まってしまうとのこと。日中は勤労者の身、6時前に到着するのは到底無理。昼休みに行くしかない。いそいそと12時半に職場を出る。

お店は職場からは対岸の右岸にあり、寒波とあってはVelibで行く勇気もなく、鬱屈した雰囲気が大嫌いな地下鉄に乗ることになる。8番線のRichelieu-Drouot駅で降りて、rue de Richelieu を南に少し下り、 rue St Marc で左に曲がって少し行くと右側にあるピンクの店がそれ。住所は19 rue St Marc. 写真は曲がってしまいましたが、店構えはこんなかんじ。パリは今週セールがはじまったので、ここでも「Soldes」のマークがウィンドウに出ている。

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入ると、狭い空間に先客が既に5人もいた。お店は雑然としていて、床にも壁にもただただ毛糸が並ぶのみ。毛糸以外は何も売っていない。針もボタンも何もない。ほとんどが合成繊維か混合のものだが、入って右手の壁半分はウール100%の玉が様々な色で並んでいた。種類、ブランドの多様性としてはボンマルシェには全く劣るが、値段は、セール品ではないとは言え、ボンマルシェよりも3割ほど安い。

Fonty Numero 5 というフランス製のウール100%の極太をボルドーとブルーグレーの2色、そしてLinie 144 GALA というイタリア製のウール100%を抹茶色と茶色の2色買う。前者は一玉4ユーロ10セント(535円)、後者は一玉3ユーロ90セント(508円)。質的には、日本で楽天等から同等のものを買ったら、200円ほどで手に入るものでしょう。。。 

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パリで編み物をするのは経済的につらい修行だが、日本のものとはまた違った、微妙な色合いがいい、と思うことにする。これで今度は、来週一歳になるドイツの甥にボーダーの入ったマフラーと帽子をつくろう、などと夢も広がる。

店の主は柔らかな雰囲気で微笑みの絶えない、全くパリ人とは思えない女性。私が買おうとした毛糸をとりかえようとするので、何か問題があるのですか、と聞いたところ、色合いが違う玉があるから、という返答が来た。パリでこんな誠実なお店があるのか、と驚愕。

夜、自宅に帰って、ネットでFonty Numero 5 を調べる。すると、なんともはや、このサイトでは3ユーロ70セント、さらに別のサイトでも3ユーロ50セントで売っているではないか!
ひいいい。こういうサイトは今までどうして出てこなかったのだろう。
修行の身は日々学ぶことが多い。。。
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by iknit | 2010-01-16 03:22 | お店